台湾のチップ大手、中国によるレアメタル規制による生産への打撃は見られない
台湾の半導体大手TSMCは木曜日、半導体製造に不可欠な2種類のレアメタルに対する中国の最新の輸出規制が生産に直接的な影響を与えることはないと予想していると述べた。
中国商務税関省は月曜日、半導体の世界市場をめぐって北京と米国が対立する中、安全保障上の懸念からガリウムとゲルマニウムの輸出には8月1日から許可が必要になると発表した。
アップルやインテルなどを顧客に持つ台湾積体電路製造会社は、ドリップコーヒーマシンから自動車やミサイルに至るまで、あらゆるものに動力を供給するために使用されるシリコンウェーハの世界生産量の半分以上を管理している。
同社は声明で「評価の結果、原材料のガリウムとゲルマニウムに対する輸出制限がTSMCの生産に直接的な影響を与えることはないと予想している」と述べた。
TSMCは長期的な間接的な影響については詳しく述べなかったが、状況を注意深く監視すると述べた。
中国はテクノロジー、貿易、台湾など幅広い問題をめぐり米国と争っている。
TSMCの本拠地であるだけでなく、自治領である台湾は世界の主要な半導体製造基地であり、マイクロチップの世界的な需要と中国と台湾との関係がますます緊張していることを考慮すると、その優位性はより顕著になっている。
中国政府は台湾を自国の領土だと主張しており、過去1年に台湾周辺で大規模な軍事演習を2回実施した。
台湾の王美華経済相も、中国で採掘されたゲルマニウムとガリウムは主に原材料であり、その後米国や日本などの国で精製されるため、新たな輸出規制の影響を軽視した。
「台湾は精製された原料を輸入しているため、短期的な影響は限定的だ」と彼女は火曜日に記者団に語った。
「価格と供給の観点から、長期的な(輸出)制限が国際市場に及ぼす影響を注意深く監視していく」と語った。
ガリウムは、集積回路、LED、太陽光発電パネルなどに含まれており、欧州連合では重要な原材料と考えられています。
欧州委員会の2020年の報告書によると、世界のガリウム生産量の80%を中国が占めている。
同じ報告書によると、ゲルマニウムは光ファイバーや赤外線カメラのレンズの製造に不可欠で、その80%も中国から来ているという。
この輸出制限は、最先端のチップを含む米国の技術へのアクセスを遮断することを目的として、ワシントンが近年中国企業をブラックリストに載せたことに続くものである。
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