日本の中部にある沿岸都市、新潟がG7財務大臣会合を主催する
日本の中部にある沿岸都市、新潟がG7財務大臣会合を主催する AFP

木曜日のG7財政協議では、内戦で荒廃したウクライナへの支援が最優先の議題となるが、閣僚や中央銀行関係者らは、銀行経営の不確実性から米国債務不履行の懸念に至るまでの懸念も検討する予定だ。

先進7カ国(G7)の3日間の会合は、ロシアのウクライナ侵攻によってさらに悪化したパンデミックの苦境が何年も続いた後、世界経済が依然として不安定な中で開催される。

そのため、日本の中部にある沿岸都市、新潟での会談は、来週末にG7首脳が広島に集まる前に、金融安定のビジョンを打ち出すチャンスとなる。

ジャネット・イエレン米財務長官はワシントンの債務上限をめぐる行き詰まりの暗雲の下に到着したが、ジョー・バイデン大統領は広島訪問をキャンセルせざるを得なくなる可能性さえあると述べた。

しかし財務省によると、新潟ではウクライナ関連を含む「共通の課題」に取り組むことに重点を置くという。

イエレン氏は木曜午後の講演で「今年、われわれの戦略の中心は、われわれの制裁を回避しようとするロシアの試みを阻止するためのさらなる行動を取ることだ」と述べる予定だ。

4月にG7財務相がワシントンで会合した際、IMFによるキエフへの156億ドルの融資承認を歓迎し、モスクワへの制裁を再約束し、「必要に応じてさらなる行動」を約束した。

トロント大学のG7研究グループのディレクター、ジョン・カートン氏は、今週の協議で新たな措置が合意されるという公式な兆候はないが、扉は開いていると述べた。

同氏は、ウクライナのセルギイ・マルチェンコ財務大臣も事実上参加する新潟協議に先立ち、新たな行動は「中国をはじめとする第三国による制裁回避の強化」を中心とする可能性があるとAFPに語った。

EU当局者らはすでに、中国企業8社がロシアに機密技術を販売している疑いを理由に、機密技術の輸出を停止することについて協議している。

カートン氏は、G7はまた、同グループの原油価格上限に違反してロシア産原油を密かに販売しているタンカーを阻止したり、輸出禁止措置を拡大したりする可能性があると述べた。

サプライチェーンの強化、仮想通貨規制、気候変動金融は、大臣、中央銀行長官、IMF、OECD、世界銀行のトップにとっても話題となるだろう。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスの上級副社長マダビ・ボキル氏はAFPに対し、「将来のショックに対する経済的回復力の強化(と)協力の強化」が鍵となると語った。

日本の鈴木俊一財務大臣は今週、議論の中で大きな問題として浮上する可能性が高い銀行危機に対する警戒の必要性を強調した。

3月初旬以来、米国の地方銀行3行が破綻し、顧客の間でパニックが起き、中堅銀行の株価に混乱が生じている。

新潟では、こうした金融業者に対する「顧客や取引相手を安心させ、攻撃を止めるよう説得するため、G7加盟国は強力で統一されたメッセージに合意できる」とカートン氏は述べた。

しかし、デジタル銀行の取り付け取り付けに対する規制の必要性については、欧州のG7加盟国と米国の間で意見の相違が生じる可能性があると同氏は警告した。

欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド総裁は日本の日経産業新聞のインタビューで自身の立場を表明し、経済リスクを最小限に抑えるために「監督は立ち入ったもので、可能な限りきめ細やかなものである必要がある」と述べた。

金融政策の問題にも隔たりがあり、日本を除くほとんどの主要中央銀行はここ数カ月間、インフレ対策として利上げを行っている。

日本、米国、ドイツ、英国、フランス、カナダ、イタリア、欧州連合が加盟するこのブロックは、後進国へのインフラ投資について話し合う予定だ。

日本は今年のG7をグループ外の国々への働きかけに活用することに熱心で、インド、インドネシア、ブラジルの財務大臣が韓国とシンガポールの閣僚とともに新潟会談に参加する。

この支援は、巨大な一帯一路構想を通じて世界中のインフラに資金を提供しているロシアと中国の両国に対する国際世論を揺るがす鍵となるとみられている。

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