ウクライナのゼレンスキー氏がサウジ訪問、自国民へのアラブ連盟の支援を求める
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は金曜日、サウジアラビアで開催されたアラブ連盟首脳会議に出席し、国民への支援を呼びかけたが、サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子はモスクワとキエフの間の戦争を調停する用意があると表明した。
またジッダの集会では、アラブ指導者らは10年間の孤立を経て、内戦でロシアから多大な支援を受けてきたシリアのバシャール・アル・アサド大統領を温かく歓迎した。
サウジ皇太子は冒頭の演説で、「我々はサウジがロシアとウクライナ間の仲介努力を継続し、安全保障の達成に貢献する方法で危機を政治的に解決することを目的としたあらゆる国際的努力を支援する用意があることを再確認する」と述べた。
ムハンマド皇太子は以前にも紛争を調停したことがある。
ゼレンスキー氏は今週末、日本の広島市で行われるG7首脳会議にも出席する予定で、サウジアラビアのこれまでの援助に感謝し、参加者はそれぞれ同氏の10項目の和平案の文書を受け取ることになると述べた。同氏は両国に対し、仲介者を通さずに直接ウクライナと協力するよう求めた。
同じOPECプラス加盟国であるロシアの孤立化を支援するよう西側諸国が湾岸産油国に圧力をかけているにもかかわらず、湾岸諸国はウクライナ紛争で中立を保とうとしてきた。
「人々を救う」
ゼレンスキー氏はサミットでの演説の中で、アラブ連盟加盟国を含む一部の国は、ロシアによるウクライナ領土の不法併合や15カ月にわたる戦争中の一部のウクライナ人の投獄に「目をつぶる」ことを望んでいると述べた。
同氏は英語で「ロシアの刑務所の檻から人々を救うために我々全員が団結できると確信している」と語った。
昨年、外交クーデターにより、ムハンマド皇太子はウクライナでロシアに捕らえられた外国人10人の解放を確保した。この動きは明らかにロシアのウラジーミル・プーチン大統領との緊密な関係によって可能になったとみられる。
ゼレンスキー氏はジッダ到着直後、ツイッターに「サウジアラビア王国は重要な役割を果たしており、協力を新たなレベルに引き上げる用意がある」と述べた。
サウジアラビアは、石油輸出国機構(OPEC)プラスの減産決定をめぐって米国からの激しい批判にさらされており、価格つり上げによってロシアの財源補充を支援しているとみなされている。
10月の決定は当初米国や他の西側諸国の怒りを買ったものの、それ以降の市場動向は削減が賢明であることを示している。
ロシアの対ウクライナ戦争が世界のエネルギー市場を混乱させる中、世界最大の石油輸出国としてサウジが果たす役割は米国政府とロシア政府にとって重要性を増している。
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